全国各地で脱原発を訴えるデモが行われた9月11日、福井のパレードに参加してきました。
老若男女200人以上の市民が、
脱原発を願って福井市内を歩きました。
私のような県外からの参加者はごく少数派で、
ほとんどが福井県内からの参加だったようです。
福井市や越前市など嶺北から、敦賀市や美浜町など原発密集地である嶺南地方まで様々。
滋賀から来たと言うと「まあ、遠くから」という感じでしたが、
若狭の原発群までの距離は、高島市は越前市などと同等で、
むしろ、福井市より近いくらいなのです。
パレード前に、主催者・参加者のあいさつ。
長年運動をしてきた主催者の山崎隆敏さんは、
「チェルノブイリ事故直後のときには、
福井市でのデモは私を含めて4名だったが、
そのとき、脱原発の世論はかなり高まっていた。
その段階で政治がきちんと方向を打ち出していたら、
今回の福島の事故はなかったと思う。
それから25年たつが、何も変わってこなかった。
1日でも早く原発を止めようという活動を
しっかりやっていくことが私達に課せられた使命。
福井もパレードに参加できる人はほんの一部。
実際にはこの100倍200倍の人達の声があるということを、
福井の政治家たちにも分かってもらいたい。
いま西川知事は、原発再稼動に慎重な立場。
西川さんを先頭にがんばっていただきたい、
知事を激励する意味を含めて今日のパレードをやりたい。
今日は皆さん一人ひとりが主催者という気持ちでやりましょう。」
と呼びかけました。
パレードは終始、平和的でトラブル等なく進み、
終了後、参加者の交流の場も設けていただきました。
福井の方々の存在に勇気付けられましたが、
お話を聞くと、やはり福井で脱原発の声を上げるのは、
様々な苦労があるということも伝わってきました。
脱原発をめざす「サヨナラ原発福井ネットワーク」は、
内部被ばくの危険を訴えている放射線医学の専門家、
崎山比早子氏の講演会(9/23・24)を企画されていますが、
その同じ日に「福島県民に放射線による健康被害はない」
等と発言している札幌医科大教授・高田純氏の講演会が
別の団体によって企画されたそうです。
この高田純さんという方は、
福島の現状を「国による風評被害だ」と訴え、放射線被害を交通事故にまで例えたり、
「今こそ日本が最高の原発技術を開発できるチャンス」などと発言しているようです。
崎山さん講演会への動員がこちらに流れてしまわないか心配です。
福井では「知り合いの誰かが原発関係」という事が多いのはもちろん、
原発の安全を信じ込まされている人が多いともおっしゃっていました。
特に嶺南では、すぐそばに原発があり、あって当たり前で、
ずっと原発と共に暮らしてきているので、原発を否定されることに、
抵抗感がある人もかなり多いようです。
それでも、敦賀原発から目と鼻の先に住んでいて、
家から原発が見える、という60代前後の女性も来られていました。
「親はずっと反対していたが、少女の頃に原発ができてしまった。
我が家は原発で何かあれば即死レベルの距離。
今までずっと原発に怯えながら暮らしてきました。
数年おきに美浜やもんじゅで重大な原発事故が起きる度、
身がつまされる思いをしてきました。
福島原発の爆発を見たときは、日本は終わったと思った。」
と語られました。
震災以前は原発問題にあまり関心がなかったことを、
彼女に対して申し訳なく思いました。
全国民の声はもちろん、福井など原発立地地域の脱原発を望む声も、
もっともっと届いて、尊重されてほしいと改めて感じた一日でした。
その為に私達ができることがあれば、やっていきたいと思います。
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